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| どの馬にもチャンスある「戦国ダービー」 [2008.05.26]
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南関東クラシック第二冠は『東京ダービー』。昭和30年『春の鞍』として創設。昭和39年の第10回からは『東京都ダービー』、昭和41年の第12回より『東京ダービー』として行われている。第13回から第44回までは2400mで行われ、その時期以外は大井外回りダート2000mで行われている。この後、三冠目に指定交流『ジャパンダートダービー(JpnI)』が控えているが、我々南関東の競馬に関わる者にとって「ダービー」と言えばやはり『東京ダービー』なのである。
その象徴とも言えるのが、的場文男騎手だろう。
通算21回の大井リーディング。紛う事無き大井のエースだが、なんと東京ダービーは1度も制していない。それどころか、26回の騎乗で8回の2着。あと一歩のところで栄冠を取り逃している。東京ダービー通算【0-8-3-15】。もっともその中には健闘の2着もあるし、また、ナイキジャガーやマルゼンアデイアルのように、羽田盃を制すも故障で出走できなかったお手馬もあった。編集部内で惜しかったと思うレースを聞くと、ベテランからは5戦5勝無敗で臨んだシナノデービス、若くない若手からはクビ差惜敗だったゴールドヘッドの名が挙がる。シナノデービスの場合は、勝たれたジョージレックスも的場騎手のお手馬だっただけに、今更だが悔やんでも悔やみ切れない。
距離も味方しなかった。今年は2000mに戻って10年目になる。2400m時代のダービーは、その距離もさることながら、スタートしてすぐ3コーナーというコース形態も勝敗のカギを握った。第39回東京ダービー。単勝1.1倍と断然の1番人気に推されたブルーファミリー。当時の新聞を見ると、上から下まで◎。「現時点で死角はなく2冠達成は目前」と書いてある。ここまで7戦7勝。青雲賞、京浜盃、黒潮盃、そして羽田盃を制し無敗で臨んだダービーだったが。
前述の通り、2400mはスタートしてすぐコーナーだ。そして逃げ馬だが外枠希望のブルーファミリーは8枠14番。スタート後、一気に内に切れ込んでハナを奪わなければならなかった。
注目のスタート。ゲートが開いてブルーファミリーが一瞬暗闇に消えた。躓き、痛恨の出遅れ。絶望的だ。激しく追い上げるが、芦毛のプレザントが2番手以下を引き離し、軽快に逃げる。4コーナーから直線。プレザントがリードを保ったまま逃げ込みを図るが、ブルーファミリーにはもう余力なく、馬群に呑み込まれていった。5着だった。結果、プレザントが2着に4馬身の差を付けゴール。
皮肉にも2着には、ブルーファミリーと同じ8枠の11番人気だったタイコウストームが突っ込んだ。今なら馬連、馬単、3連単、3連複万馬券間違いなしだが、代用で枠連2−8が260円だった。
自厩舎での勝利を喜ぶ桑島騎手とは対照的に、うなだれる的場騎手が印象に残った。今のように2000mだったら、出遅れたとしても、結果は違ったかもしれない。
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| 1993年 第39回東京ダービーゴール前のプレザント |
近年は道営デビュー馬の活躍が目立つ。最近11年で、サプライズパワー、アトミックサンダー、オリオンザサンクス、ヒノデラスタ、そして昨年のアンパサンド。地元大井生え抜きの勝ち馬となると、12年前のセントリックまで遡らなければならない。今年の羽田盃馬ニックバニヤンには、そういった意味でも期待がかかる。羽田盃は京浜盃から一転、先行馬ペースの流れになったこともあるが、直線で勝負根性を見せた。2着ディラクエは逆に流れが向かなかったが、今回はクラウンC→東京湾C組が合流。5馬身差圧勝だった京浜盃とほぼ同様のメンバーとなった。裏路線で力を付けたモエレラッキーとギャンブルオンミー。虎視眈々と狙うロイヤルマコトクン、コラボスフィーダ。一生に1度のダービーだけに、各馬ベストのレースをしようと厳しいレースになることが多い。ディラクエ大本命で始まった今年のクラシック、実は3歳重賞2勝馬はいない。どの馬にもチャンスがある「戦国ダービー」と言えそうだ。
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| 2008年 第53回 羽田盃ゴールシーン |
小山内完友(日刊競馬)
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PROFILE
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小山内完友
Hirotomo Osanai
日刊競馬地方版編集部記者兼カメラマン。 10年以上、南関東の重賞ほぼ全てをゴール前で観続けてきた。
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