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東京シティ競馬中継で放送した「重賞ヒストリー」。中継解説陣の独自データ分析により、SIレースを中心に注目馬を紹介します。

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TCK女王盃
第9回優勝馬:グラッブユアハート号
新しい年のオープニングを飾る、牝馬による全国交流重賞。全国各地から集まった女傑たちが、真冬のダート女王の座を争います。古馬が出走可能な牝馬限定のダートグレード競走は年間に5レースありますが、このレースだけが唯一右回りのコースで行われます。
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レースの見どころ レースレポート 歴代優勝馬
中村義則のレースレポート なかむらよしのり
グリーンチャンネル「全国競馬便り」のゲスト解説、
地方競馬専門誌「ハロン」、TCKでの予想コラムなどでおなじみ。
<TCK女王盃(GIII)>

 2006年TCK最初の重賞レース、TCK女王盃(GIII)。全国各地から牝馬の強豪が集まり、「真冬のダートクイーン」の座を競いました。

 2年連続で1番人気に支持されたJRAのグラッブユアハートが、今年も大きな支持を集めての参戦になりました。過去2年は人気を裏切る結果に終わっていますが、前走のクイーン賞を大差勝ちするなど最近は絶好調をキープしています。今回は勝負付けの済んだ相手との対戦で、負けられない一戦になりました。大きく離れた2番人気は、芝路線で活躍するJRAの4歳馬コスモマーベラスでした。ダート戦の経験が乏しい点は気になる材料ですが、ここに来て着実に地力を強化しています。続く3番人気には、3連覇を狙うJRAのレマーズガールが推されました。このレース2度の優勝を含め、交流重賞6勝の実績は群を抜いていますが、休養明けの前走で大敗を喫したのが気掛かりです。以下はクイーン賞4着のスターリーヘヴン、地元の南関東所属馬では差し脚自慢のアイチャンルックとテンセイフジが上位の人気を集めました。

 厳しい冷え込みの中でゲートが開くと、仕掛けてハナを主張する馬は不在で、好スタートを切った内のグラッブユアハートが手応えの違いで先頭に立ちます。半馬身差でレマーズガールが続き、その直後をスターリーヘヴンとコスモマーベラスが追走します。JRA所属馬が好位を占める一方で、末脚勝負のアイチャンルックは中団に待機、テンセイフジも後方に控えて1コーナーに入ります。

 逃げる競馬は初めてのグラッブユアハートでしたが、折り合いを欠くこともなく、やや遅めのペースでスムーズに先行して向正面に入ります。2馬身の圏内に密集した先行勢に大きな動きはなく、後続馬も仕掛けのタイミングを図りながら3コーナーに入ります。ここで2番手のレマーズガールが追い出しを開始しますが、グラッブユアハートは手綱を抑えたまま抜群の手応えで先頭を譲りません。追走するスターリーヘヴンとコスモマーベラスは反応が悪く、後方ではアイチャンルックとテンセイフジが追撃態勢を整えて4コーナーを回ります。

 馬なりのまま直線を向いたグラッブユアハートは、鞍上の安藤勝己騎手が後続馬の手応えを観察する余裕を見せ、ラストスパートに入ってゴールを目指します。離れた後方からアイチャンルックやテンセイフジも脚を伸ばしますが、余裕十分のグラッブユアハートの逃げ脚は全く衰えず、懸命に追うレマーズガールを寄せ付けずに先頭でゴールしました。最後まで勝ち馬に食い下がったレマーズガールは、前走の大敗から立て直しての2着。3着は大外から伸びたテンセイフジ、アイチャンルックは5着、ダート経験の浅いスターリーヘヴンは9着、コスモマーベラスは10着に敗れました。

 白山大賞典、クイーン賞に続く交流重賞3連勝を飾ったグラッブユアハートは、力の違いを見せつけるかのような完勝でした。スタートから楽に好位置を奪えたのは大きな進歩で、惜敗が続いた以前に比べて目覚しい成長を感じさせる鮮やかな勝利でした。今後はこのレースと同様に2年連続でタイトルを逃している川崎のエンプレス杯に向かい、真冬の牝馬交流重賞3連戦の完全制覇に挑みます。


グラッブユアハート・・・
父 Deputy Commander
母 Kelly Amber
母の父  Highland Park
牝6歳  戦績・21戦7勝
所属・畠山吉宏厩舎(JRA)
馬主・吉田和子
生産者・Mr.&Mrs.Dreabon Copeland(米国)
収得賞金・228,900千円
主な勝鞍
平成18年 TCK女王盃(GIII)
平成17年 クイーン賞(GIII) 白山大賞典(GIII)
平成16年 スパーキングレディーカップ(GIII)

2006.1.19 中村 義則
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